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学生のココログ
University Life:思考の記録

「何にでもなれる」という
不安と向き合う夜に

大学生になって、最も驚いたのは「自由」の重さでした。高校までは、時間割があり、制服があり、目の前には「受験」という明確なゴールがありました。レールの上を走っていれば、それなりに正解に辿り着ける。そんな安心感の中に、私たちはいました。

しかし、大学という場所は、突然そのレールを断ち切ります。何時に起きてもいい、どの授業に出てもいい、誰と付き合ってもいい。そして何より、将来「何になってもいい」。この無限に広がる選択肢は、一見すると幸福そのものですが、実のところ、ひどく残酷なものでもあります。

「何にでもなれる」ということは、裏を返せば「何者でもない自分」を突きつけられることでもあります。

深夜、SNSを開けば、インターンで活躍する友人や、留学先で眩しい笑顔を見せる同級生の姿が流れてきます。彼らは自分の「正解」を見つけたように見え、自分だけが霧の中を彷徨っているような錯覚に陥る。この焦燥感の正体は、自由を使いこなせていないという、自分への失望感なのかもしれません。

けれど、あえて言いたいのです。今、あなたが感じているその不安こそが、大学生活で最も価値のある学びである、と。

正解のない問いに対して、悩み、立ち止まり、それでも何かを選び取ろうとする。そのプロセスこそが、あなたという人間を形作っていきます。今はまだ、大きな夢や目標がなくてもいい。今日、自分が「美しい」と思ったものや、「心地よい」と感じた瞬間を、一つひとつ丁寧に拾い集めてみてください。

自由とは、何かを成し遂げるための道具ではなく、自分を知るための鏡です。焦って答えを出そうとせず、この豊かな暗闇を、もう少しだけ歩いてみませんか。夜が明けたとき、あなたの手の中には、誰のものでもない、あなただけの物語が握られているはずです。